みなさん、こんにちは。株式会社Cozy Consulting 代取の坂口です。
今回が、第47回目のコラムになります。
第47話は、「新築建売のその後の売れ行き状況」いう話です。
よく情報交換をしている不動産売買仲介会社の社長から仕入れた情報です。
3月決算の建売業者は多く、3月は業績数値をそれなりに作る為に、ある程度の値引き販売はあった様子です。
価格よりも売り切ることに重点が置かれたとのこと。銀行も決算は3月なので、住宅ローンに注力している地銀などは幅広く案件を拾った模様です。
ただ客層は以前よりも明らかに変化したとのこと。公務員・上場会社の社員から中小企業の社員や自営の方まで客層が幅広くあったのに、年明け以降は、公務員・上場企業の社員が多くなり、購入層の幅は明らかに狭くなったようです。
狭い幅の比較的収入が安定している購入層は、子供が入学するとかの理由で急いで購入することはなく、じっくり物件を見極めて買う傾向が強いそうです。
また、住宅ローンも単純に業者指定の提携地銀の住宅ローンやフラット商品ではなく、金利や団信の種類を見てネット銀行を選択するパターンが多い傾向にあるそうです。
業者から見れば、従来よりも手間が増えている。物件をよく勉強しているので業者しか知らないような専門的な質問や意見を求めてくるので、慎重な対応が求められるそうです。
日銀のゼロ金利政策が見直され、今後、短プラの見直しも行われるでしょう。そうなると変動金利建ての住宅ローン金利は上がっていきます。金利が上がっていけば、エンド顧客の購買意欲はそがれてくるでしょう。
新築戸建て業者にとっては、経営環境の悪化は避けられない状況になるかもしれません。
日本の金利が上がり、米国の金利が下がれば、日米の金利差は縮小し為替は円高に振れる可能性が高くなります。
そうなると、株式市場に大きく流れ込んでいる外国人投資家の資金が縮小し、株価が下がる懸念があります。不動産価格は株価に連動する傾向があるので、株価につられて一定のタイムラグで不動産価格も下がっていく懸念が出てくるかもしれません。
いろいろと類推すると、不動産市況には良い材料よりも悪い材料が多いような気がします。
弊社のコンサルでは、不動産会社に銀行との付合い方をご教授しているパートもあります。将来の業績悪化に備え、いまこそ銀行取引を安全に保つ施策に着手し備える必要があるかもしれません。
新築戸建て業者は、今後ますます土地の仕入れのノウハウの差が、販売価格の差になって表れ、仕入れ能力の差が企業の財務に影響することが予想されます。
今後、不動産市況を注視しつつ、市場を取り巻く関係者の動きに目配りしていこうと考えます。
今日はここまでにしておきます。
最後までお読み頂いて、ありがとうございました。