第42話 節税商品としてのオペリースについて

みなさん、こんにちは。株式会社Cozy Consulting 代取の坂口です。

今回が、第42回目のコラムになります。

第42話は、「節税対策としてのオペリースについて」、話をしたいと思います。

弊社のクライアント先が今期決算内容好調につき、税金の繰延対策を実施した方がよいとの判断で、オペレーティングリースを活用することにしました。

銀行勤務時代は、業績好調な取引先法人に銀行系列のリース会社のオペレーティングリース商品を紹介したものでした。ほとんどがUS$建ての航空機リースでした。期間が概ね10年前後で、初年度の償却率が80%~90%で、税金の繰延効果は大きいものが多かったと記憶しています。

投資金額の大きさもあり、融資対応するケースも多かったと記憶しています。早期償却と次年度以降の借入金利息の損金効果もあり、節税商品としては効果・威力がありました。

一方で、為替リスクや賃借人の事業リスク、中途解約不可、等のリスクも内在化しておりそのリスクを覚悟で投資し利用する必要があり、それ相応の財務体力がある先に提案することが前提になります。

投資出資金を自己資金で対応するとなると、初年度に大きな出費が伴います。節税効果はあるのですが、手元資金の大きな支出が伴うので、資金繰りに余裕のある会社でないと事業自体に大きなマイナス影響が伴います。

現在、弊社のクライアントがオペレーティングリース導入を検討していますが、前節で説明した様々なリスクが存在すること、節税効果はあるのもの投資出資金の大きな出費が手元流動性に影響を与えることを説明しています。

経営陣は、商品の導入の如何について、それらリスクと節税効果を天秤にかけ判断することになります。

また、10年間の契約期間であれば、10年後に投資出資金がほぼ全額戻ってきますので、その益金対策もこの期間で考えておく必要があります。対策方法は事前に説明しており、この期間内に準備をしていく必要があります。

久々に商品の内容を確認しましたが、航空機、船舶、コンテナ等の投資対象は昔から変わらないという感想です。US$建てが主流です。

最近の変わりどころとしては、円建てのEV電池の再利用でBCP用の蓄電池のオペレーティングリースが商品として出てきているようです。既に有名な上場企業や地方公共団体に導入実績があるようです。

円建てで期間も5年と比較的短く、SDGsにも貢献する商品であり、非常に魅力的な商品と感じました。

いずれにせよ、商品導入にあたり相応のリスクを抱えることを認識し、単年度ではなく複数年度で税金対策を行うことを意識し、最終の出口戦略も考えて、商品導入を図る必要があります。

弊社のクライアント先の商品導入に関しては、何もしない場合とオペリースの複数の導入金額でもって、節税効果と資金繰りの圧迫効果のシミュレーション表を作成し次回説明する予定です。

最大の節税効果と最小の資金繰りリスクで、適切な金額での商品導入ができるように助言していきたいと考えています。

今日はここまでにしておきます。

最後までお読み頂いて、ありがとうございました。