みなさん、こんにちは。株式会社Cozy Consulting 代取の坂口です。
今回が、第72回目のコラムになります。
第72話は、「新築戸建の土地仕入れは難航!」と言う話です。
10月の終わりに、あるパワービルダーの土地仕入れの中間管理職の方とお会いする機会があり、最近の新築戸建て住宅の売れ行き状況と土地の仕入れ状況をお聞きしました。
どうやら販売状況は極めて厳しい状況のようです。金利上昇局面に入り今後の金利上昇が見込まれる中、新築戸建てを買おうとする一次取得者の30代の層が、減っているとの事です。総じて給料の引き上げが物価上昇に追い付いていない為、高額な住宅をローンで購入しようとする考えが減退しているようです。
販売が落ち込み売上・利益とも非常に厳しい水準で月次推移しているとのこと。然しながら、土地の仕入れは継続していく必要があり、売れにくい土地を仕入れることもできず、業績目標の仕入れ目標額との兼ね合いで苦しんでいるとの事でした。
以前は、借地権付の土地でも積極的に購入していたが、今は借地権付土地の仕入れは皆無との事です。よほど駅から近く、好立地な土地の仕入れが求められておりしかも安く仕入れないと評価されないという厳しい状況のようです。
仕入れしないと商品化して販売できないので、厳しい環境下でも厳選して土地を仕入れなければならない状況に苦悩されている感じでした。
葛飾区の戸建ビルダーで地元では有名で大きな戸建業者が破産申請した記事を見かけました。今後は、中小の戸建業者が増える可能性があります。銀行はこの状況を見て、戸建業者への新規貸出には慎重になるでしょう。
モニタリングが強化され、少しでも販売に支障があり、PJ貸出の期日が守られない、ロールオーバーが必要になれば、在庫が売れるまでは次の融資は控えるスタンスを取るでしょう。
そうなると、次の土地仕入れができずに、業績は次第に下降傾向に陥り、業者は利益を吐き出してでも販売を優先するシナリオが見えてきてきます。
かわいそうなのは一般のエンドユーザーです。着手金や中間金など業者に支払っても、建物は完成されず、住宅も手に入れられないという事態を招く可能性があります。一般の方も発注した工務店さんの業績動向にはこれまで以上に注意を払う必要が出てくると思います。竣工リスクをもろに受けてしまいます。
最後までお読み頂いて、ありがとうございました。