第62話 「三為取引」はリスクが高く難しい

みなさん、こんにちは。株式会社Cozy Consulting 代取の坂口です。

今回が、第62回目のコラムになります。

第62話は、「三為取引はリスクが高く難しい」いう話です。

不動産の売買取引で行われる取引形態のひとつに「三為取引」というものがあります。

「三為取引」とは、昔の中間省略の売買取引の事です。A⇒B⇒Cの売買の時に、Bの所有権移転を登記せず、契約上は3社の取引になりますが、登記上はA⇒Cの所有権移転登記がなされる売買取引の事です。

「第三者の為に行う取引」の略称で、「三為取引」と言われています。バブル期には普通に行われていた取引でした。

その後、コンプライアンスがどの企業もうるさくなり、「単なる土地ころがし」に見える中間省略取引は昔ほど行われなくなりました。然し、その原型は「三為取引」として残っている訳です。

時間差を複数日にまたがらずに、複数の売買取引が即日同時に行われるところに特徴があります。

売主側からみると、大きなリスクが内在化しています。最終の購入予定者がどんなに信用力が高くても、買うための条件がどのような内容になっているのか、売り主は確認する必要があります。

どのような要件が充足すれば、最終の信用力のある業者が購入してくれるのか、その点を確認することは極めて重要です。

三為取引の間に入る業者は、総じて、信用力にやや疑義がある中小の業者が多く存在します。最終の信用力のある業者が、条件不充足で購入しないとなった時、その売買は成立しません。

売主側にどうしても売却しないといけない事由がある場合、非常に困った事態に陥ることになります。

また、最終の購入条件が整うのに時間を要する場合、売買取引日をずるずる後ろにずらされることになり、売買契約を当方の事由で取り消すわけにもいかず(違約金の支払いが発生する懸念がある)、非常にまずい状況に陥ります。にっちもさっちもいかない状況に陥るわけです。

よくあるケースは、買付証明も出さずに、いきなり売買契約を結びたいと言ってくるケースです。一度、売買契約を結んでしまうとその契約に縛られ他の売却の選択肢が選べない事態に陥ります。

「三為取引」は慎重に取り扱う方がよいと考えます。

今日はここまでにしておきます。

最後までお読み頂いて、ありがとうございました。