第59話 コーポレートライフサイクルに応じた資金調達

みなさん、こんにちは。株式会社Cozy Consulting 代取の坂口です。

今回が、第59回目のコラムになります。

第59話は、「コーポレートライフサイクルに応じた資金調達」いう話です。

先般、新たに不動産ビジネスに新たに進出したいとする企業の社長から、どのように始めたらよいか、調達はどのようにしたらよいかの相談を受けました。最近、この手の相談が増えています。

現在は、本業があり本業のビジネスはうまく行っていて多店舗展開を要するビジネスの為、店舗を借りるのではなく、資産として持って行こうとお考えです。

借りていくか、自社で所有するかは人それぞれお考えがあると思います。

手持ち資金で不動産をどんどん買っていける環境であれば、現金を固定資産に変えていって手元のポートフォリオの多様化、インフレ対策、資産分散によるリスクの回避等に貢献していきますからよいと考えます。

然し、借入調達により不動産を取得するとなると慎重に検討すべきです。そこで上がる収益をもとに収益弁済していくことになりますので、事業計画の妥当性が求められます。

減価償却が発生してきますので、収益の圧迫要因になります。税金対策としてはプラス容認になります。税引後利益で、元金返済が可能か、何年で返済できるのか?事業計画の収入にストレスをかけて、どの程度のストレスに耐えられるのか、慎重な検討が必要です。

社長の話の勢いからすると、比較的短期間で借入を伴った自社所有物件による多店舗展開をお考えのようでした。私としては、社長のお考えは尊重するも、ややリスクが大きく少しづつ様子を見ながら小さく始めたらどうかを助言しました。

現在取引をされている銀行の顔ぶれの取引構造をみても、大きな設備資金に耐えうる金融機関は少ないように思えました。

多額の設備資金を長期に借り入れすることは、日々の資金繰り資金(運転資金)を複数の銀行の支店長権限の信用枠内で調達するのとは、難易度が違います。

支店長権限内の信用枠と言っても社長は理解できないようでした。弊社のコンサルではその辺の話も詳しく説明しています。

今日の所では、慎重に進めた方がいいですよと、お伝えするのが精いっぱいの所でした。

企業には、コーポレートライフサイクルに応じてその時々で取組むべき事柄があります。

それに照らすと、今回の銀行借入を伴う多店舗展開という話は、その会社のライフサイクルを勘案すると、足元の売上規模、企業規模、利益の積み上がり状態を勘案するとやや早い感じがしました。

今日は、ここまでにしておきます。

最後までお読み頂いて、ありがとうございました。