第57話 借地権について考える

みなさん、こんにちは。株式会社Cozy Consulting 代取の坂口です。

今回が、第57回目のコラムになります。

第57話は、「借地権について考える」いう話です。

あるクライアント先の借地権の売却をお手伝いしています。今般、売り先の戸建業者が見つかり、契約締結まで進んだのですが、借地権の売却は売却時に相応のコストがかかり所有権と比較してかなり不利だと感じました。

所有している期間中でも、住宅ローンとして借地権を担保に融資してくれる銀行は少ないです。それが事業用物件となると購入資金を融資してくれる銀行は殆どない状況です。

今回の物件も高金利のノンバンクから調達していましたが、途中で完済し実質自己資金で賄っていました。その分貴重な事業資金が寝てしまっていて、早めに売却を行う方針で今回売却先が見つかったという次第です。

事業用の土地として借地権は、所有権よりも割安で購入が可能ですが、事業計画が固まっていない状況での購入はよく考えて対応した方がよいと感じました。

不動産市況が冷え込む懸念の状況下、今回、売却できて本当に良かったと感じます。事業用で賃貸マンションやホテルを建築するにせよ、地代は土地の利用目的により大きく跳ね上がります。事業採算が合わない懸念が大きく、最終、処分しか選択肢がない状況に追い込まれます。

戸建が売れない状況下、戸建用地として借地権を購入できるのは一部の業者に限られます。加えて、地主の属性次第では、最初から売却の選択肢を選択できない懸念もあります。地主の属性はすごく大事だと感じました。

土地の仕入れ価格を抑えるという点では、借地権は有力な選択肢かもしれません。然し、売却時の借地権者の名義変更料、建物名義書換料、売却先が戸建業者の場合、次回売却時の名義変更料まで負担する必要があり、売却コストはかなりの金額になります。

借地権売買でも、土地の境界確定確認や地中埋設物の処理の費用負担、瑕疵担保責任等通常の売買に必要な責任事項に変わりはありません。

事業用地としての借地権の購入は慎重に進めた方良いと感じた次第でした。

今日は、ここまでにしておきます。

最後までお読み頂いて、ありがとうございました。