みなさん、こんにちは。株式会社Cozy Consulting 代取の坂口です。
今回が、第55回目のコラムになります。
第55話は、「新築建売マーケットは厳しい様子」いう話です。
久しぶりに不動産仲介会社の社長と情報交換を含めて飲みに行きました。
その場でいろいろと情報収集を行ったのですが、「新築建売マーケットは今年の3月くらいから非常に厳しい」という情報を入手しました。
不動産バブルが新築建売マーケットでは収束していて、今ある在庫の処分に建売業者はどこも苦労しているとのことです。大手もシンドイ状況ですが、中小の業者は値引きしながら様子をみて販売している。早く売りたいとする業者が増えているとのことです。
物件の立地や環境にやや難のある物件は余計に値引きしないと売れない。利益を相当削ってでも販売を優先する業者が増えているとの事です。
いよいよ住宅ローン金利が上がり始めてきました。固定金利はすぐに反応して上がってきましたが、今後は変動金利も上がってくるでしょう。そうなると、増々一般のエンドユーザーは住宅を購入する意欲は減退すると思います。
メガバンクはどこも住宅ローンは非注力分野のカテゴリーですから、市場金利の動向次第で即上げてくるでしょう。
社長は変動金利の上昇にかなり懸念を持っていました。今まで「家賃相当で家が買える」いうフレーズが金利上昇で買えなくなり、使えなくなります。
そこで私から社長に、5年、125%ルールを教えました。だいたいの銀行の変動金利住宅ローンは、3月末・9月末の短期プライムレートに連動して金利が見直されるルールになっていること。然し、金利は変わっても元利返済額は5年間は変わらないこと(元金と利息の割合は変わります)、5年後金利が上昇しても元利返済額は今までの返済額の125%以上上がらないような約定になっていること。
このルールは証貸の約定書に明記されています。したがって、セールスの時に変動金利を選択されたお客様に、この5年・125%をルールを説明したら少しは安心するのではないかという助言をしました。
社長は、このルールをご存じなかったので、参考にさせてもらい社員に周知・調べさせると言っておられました。
建築資材の高騰、人件費の高騰で建築コストはびっくりするくらい上がっています。建売業者にとっては利益の出にくい経営環境になっています。1ヶ所の現場の建売戸建が予定通りの金額で予定通りの時期に売れないと、中小企業の場合、即資金繰りに詰まることになります。その現場が複数個所あればかなり経営は厳しくなります。
金融機関は予定通りに売れず貸出金の期日をロールオーバーすることになれば、即金融を占める動きに出るでしょう。具体的には物件が売れるまでは次の融資は見合わせる、現貸出金の担保取得を行う(担保権の仮登記か本登記)、継続時に一部返済条件(貸出元本の10%か20%の一部内入れ)、金利引き上げ、等の条件をつけてロールオーバーすることになると思います。
不動産仲介会社にとっても新築建売の供給物件数が減少することは、その分取り扱う物件数が減少することになり、売上にはいい影響を与えません。社長はそこを懸念されていました。
当面、この「新築建売マーケット」の状況には注視して参りたいと思います。
今日は、ここまでにしておきます。
最後までお読み頂いて、ありがとうございました。