第31話 最近の新築建売の売れ行き状況と売り仲介の活動

みなさん、こんにちは。株式会社Cozy Consulting 代取の坂口です。

今回が、第31回目のコラムで今年最後の回になります。

第31話は、「最近の新築建売の売れ行き状況と売り仲介の活動」について、話をしたいと思います。

12月になり忘年会シーズンとなりました。今回もその忘年会の場で、ある不動産会社の社長(売買仲介がメイン、たまに買取再販あり)から最近の不動産売買の現場で感じている生の声をお聞きしました。その内容をお伝えしたいと思います。

「坂口先生、新築建売の買い仲介は競争する業者が増えています。また物価の高騰や人件費の高騰で建築価格があがり1年前と比べて3~5百万円物件価格が上がった気がします。

スーモなどに記載しても反響が以前よりも少なくなったと実感します。なにがしかの工夫が必要だと感じます。お客さえつけば資金化は早いのでそこが魅力で今後とも新築建売の買い仲介を続けていきますけどね。。。

最近は、売り仲介に注力しているんですよ。ネットの売却一括査定サイトを使っていますが、大手や地方の有力業者には勝てません。最近は相場の3割増しくらいの水準で売り主さんに価格提示する業者が増えていて、売り主さんが騙されてしまうんです。

”絶対にその価格では売れません”と話しても売り主さんは高い価格提示に舞い上がってしまい理解しません。先日もそういう案件がありました。専任ではなく一般仲介に何とか持込んで相場に近づけるように話をしています。

売却一括査定サイトに頼れないので、最近は売却物件のポスティングをしながら、一戸建ての住人に個別訪問して売り物件を探しています。

昭和方式でゼンリンの地図をコピーして一定の地域を1件1件回って塗りつぶしていくんです。手間はかかりますが、有益な情報が結構手に入ります。

空地や空家情報も手に入るので、周辺の住民から情報を収集したり謄本を上げてお手紙作戦を展開しています。今後、継続していけば商売につながると信じています。」

私からは、以下のように話をしました。

「新築建売の買い仲介は競合他社が増えて大変ですね。物件価格も上がってきて、市況は逆風ですね。今後の経済の動向は不透明ですし、金利も年明けから上がるでしょうね。

ますますエンド顧客は、住宅を購入することに慎重にならざるを得ないでしょう。新築建売のビルダーもモノが売れないと生きていけませんし必死になるでしょう。

既存の物件在庫をさばくために、販売価格を下げる可能性もあるのではないでしょうか?

銀行も貸出金の回収が予定通り進まないと、新規融資に慎重にならざるを得ないです。お金が世間に出回らないと経済は益々悪くなる懸念がありますね。不動産ビルダーはどう生き残っていくか来年は勝負の年になるかもしれませんね。

売り仲介の活動は素晴らしいですね。ゼンリン地図に基づいて1件1件ドアノックする営業は地道でシンドイですが、メンタルやられないように、ほどほどにやった方がいいですよ。

寒い時期にドアノック営業をやると本当にしんどいですから。

私も昔、銀行の新店舗開設時に担当地区を与えられて1件1件ドアノック営業をしたことがあります。
11月くらいからはじめて本当に泣きたくなるくらいしんどかった思いがあります。

メンタルやられないように頑張って下さい。必ず成果は出ると思います。断られても何回も訪問することが大事ですね。会う回数がポイントですよ。ある日、お客様の態度がコロッと好意的に変わりますから」。

不動産業界は新規参入・退場の新陳代謝が激しくまさに玉石混交です。その中で業務の進め方を工夫し行動されている社長を改めて尊敬しました。今後も応援していきたいと思います。

今日はこの辺で終わります。

みなさま、今年1年ありがとうございました。

よいお年をお迎えください。

来年もよろしくお付き合いください。