第6話中小企業経営者のためのコラム

みなさん、こんにちは。株式会社Cozy Consulting 代取の坂口です。

今回が、第6回目のコラムになります。最近感じている事や、面白い話、興味の沸く話題があれば、それを題材に皆さまにお伝えしていこうと考えています。

第6話は、前回に引き続き「リバース・モーゲージ」について、書きたいと思います。

前回、ノンリコース型の借り入れの場合、残債務が残っても銀行からは返済を求められないと説明しました。これは、この通りなのですが、その残債務分は、債務者、相続人にとっては、債務免除益になります。

ですから、一時所得に認定される可能性が高く、所得税が発生するものと思われます。そのあたりについて、税理士さんに確認し注意する必要があります。

また、リバース・モーゲージの場合、年を取ればとるほど、融資枠が広がる可能性があります。55歳の人と80歳の人とでは、同じ物件で不動産評価が同じであっても、80歳の人の方が借入枠は大きくなります。

これは何故かというと、銀行の担保掛目が年を重ねるほど、緩くなるからです。

元金の返済は、相続は発生後に担保不動産の売却により行われます。年を重ねれば重ねるほど、死期に近づくため、それだけ返済の到来期が近づくという考え方によります。

つまり、返済時期が早まると、それだけ景気や不動産価格の下落懸念を受ける時間が短くなるため、リスクが軽減するという考えのためです。
その分、担保掛目が緩くなり、借入できる融資枠が広がるという訳です。

したがって、当初のリバース・モーゲージの契約から5年以上経過している場合は、年齢経過に伴う担保掛目が緩くなって、借入の枠が広がっている可能性があります。

但し、リバース・モーゲージには、長生きリスクがあります。
長生きはいいことなのですが、生きている期間内に、融資額が、貸出限度額を超えてしまうとそれ以上は借りることができないということです。

これは、如何ともしがたい状況になります。
その時は、不動産を売却し手元に残った資金でやりくりしていくしかありません。子供がいれば、子供と同居するなどの方法を模索することになります。

銀行は、担保不動産の評価額の50%から80%を貸出していますので、普通にマーケットで売却できれば、50%から20%は手元に現金が残る可能性が高いです。
居住用資産の売却なので、税制優遇もあり、税金もそんなに心配しなくてもいいかもしれません。

長生きリスクに対応するには、自宅の売却から生まれる現金と子供など相続人に最後頼らざるを得ないと考えます。

リバース・モ-ゲージは、人生100年時代に対応したすばらしい特性をもつ金融商品だと思います。
しかし、長生きリスクには対応できないところもあり、その点を理解した上で利用するにはとても良い商品だと考えます。

今日は、ここまでとします。ありがとうございました。