第39話 タワマンの共用施設と建物管理について

みなさん、こんにちは。株式会社Cozy Consulting 代取の坂口です。

今回が、第39回目のコラムになります。

第39話は、「タワマンの共用施設と建物管理について」話をしたいと思います。

友人の伝手で、最近入居が始まった湾岸の新築タワマン(約1,200世帯)の共用施設の一部の宿泊施設に泊まりました。その際に、住民に提供されている様々な共用施設を見て回り、感じたことをご説明したいと思います。

宿泊施設は、高級ホテルのような豪華な部屋でした。単身者からファミリーまで様々なお部屋が揃えてありました。地下1階の受付で普通のホテルのようにチェックインし料金を払い、鍵をもらい利用します。チェックアウトは所定の時間に受付に鍵を返却します。

(宿泊するにはルールがあり、普通のホテルのようには一般の人は泊まれません。)

アメニティもそろっていました。ただ、パジャマは持って行く必要がありました。マンションの低層階にはレストランや居酒屋、カフェ、スーパー、コンビニも整備されていて一つの街が形成されていました。全く不自由なく過ごせました。

それ以外にも、住民がタダで使えるラウンジや展望台(東京タワーがきれいに見えました)、テレワークスペース、子供を遊ばせるスペース、ジムなども完備されていました。どの施設も十分な広さが確保されていてゆったり使える素晴らしい施設でした。

仕事用のスペースも確保されておりました。このスペースはタダではありませんでしたが、格安で利用できます。一人用の外に音が漏れないテレワークデスク、会議室、商談室等が確保されていました。

このタワマンに住むとこのタワマンの共用施設で仕事ができ、生活もできる非常に便利な施設になっていました。正直、ここまで設備の整ったマンションを今まで私は見たことはなく、衝撃をうけました。凄いです!!

ただ、約1,200世帯も入ると、いろんな人がいるだろうなぁ、管理組合は大変だろうなぁと感じました。

所有者は様々で、実需で購入されたファミリー層、タワマン税制で相続対策で購入された個人富裕層、単純に運用物件として購入された国内外の投資家等かと思います。共用部分の建物管理を行う上で、購入目的の異なる所有者を束ねていくのは大変だろうと思います。

共用施設が充実しているのはいいのですが、これらの設備を維持していくものコストがかかります。コストを負担するのは区分所有者なので、最終的に維持していくのは大変だろうと老婆心ながら心配になりました。

湾岸エリアでは、2000年にタワマンが本格的に分譲されてきています。12年から15年で大規模修繕を行いますが、タワマンの場合、10年周期で修繕を実施するケースもあるようです。2回目の修繕前に売りに出される可能性もあり、今後、このエリアでは新築に加え中古も売りに出され供給過剰になる可能性も懸念されます。晴海フラッグも引渡しが始まります。

この地域の中古タワマンの管理費や修繕積立金の引き上げがどの程度になるのか、注視しながら市況を探ることも大事かと感じました。

実需で買ったファミリー層は長く住まうことを前提に、共用部分の維持管理には積極的でしょう。一方で相続税対策で購入し空き家や賃貸に回している個人富裕層や国内外の運用目的で購入している層は、一般的に長く持つ事を前提としていないので、共用部分の管理には関心が薄いと思われます。

したがって、共用部分の建物管理を束ねていくのは、購入目的が異なる立場の違う所有者の調整が難しく大変だろうと思います。このエリアのタワマンに共通する課題になると思いますので、今後、注視していきたいと思います。

あと、自然災害等の災害時の避難誘導方法や安全に人が避難できるのかも非常に心配になりました。とにかく世帯数が多く、小さい子供から年配のお年寄りまでいらっしゃいますので、人数が多いという課題をどう整理していくのかも懸念されます。

今日はここまでにしておきます。

最後までお読み頂いて、ありがとうございました。