第61話 不動産会社がスモール期(自立期)にある時の資金調達戦略

みなさん、こんにちは。株式会社Cozy Consulting 代取の坂口です。

今回が、第61回目のコラムになります。

第61話は、「不動産会社がスモール期(自立期)のある時の資金調達戦略」いう話です。

ある不動産会社の社長から、自社で5年ほど勤務し独立した若い社長がいるので、資金調達についていろいろ教えてやって欲しいとの要請を受け紹介を受けました。

若い社長と面談し創業3年目を迎え、そろそろ売買仲介だけではなく中古マンションの買取再販を始めたとのことでした。BSの規模はまだまだ小さく、PLの状況も創業期を脱し、自立期に入った感じの規模感です。

いままでは、物件を仕入れることがあまりなく、売買仲介中心の事業内容でしたが、売買仲介では3%の手数料益のため事業の規模拡大を目指すとなると限界があります。

新築戸建ての仲介中心の売上構造でしたが、今後は中古マンションの買取再販を始めて事業規模を拡大したいとのことでした。

このスモール期(自立期)の資金調達は、どうしてもまだ規模が大きくないので地元の信金や信組の支店取引に頼ることになります。いくつかの信金や信組、場合によっては第二地銀の支店取引が中心になります。

大事なことは、仕入れ資金全額を借り入れできるわけではなく、事業展開には仕入れ資金の一部(自己資金)、リフォーム資金、その他販促費用は自社で資金負担する必要があることです。つまり物件仕入れの都度自己資金がキャッシュアウトするので、その資金負担を考慮して会社経営を行う必要があります。

1戸売れたら1戸仕入れるを繰り返す中でうまいこと予定通りに売れていけば、利益が積み上がり、複数戸仕入れが可能になったり、金額規模の大きい物件を仕入れられるようになります。

在庫が一定の期間内(半年)に売れていけば、それが金融機関への信用に繋がり、次の仕入れ資金の借入がしやすくなります。一朝一夕にはいかず、期間の中で信用の積み重ね実績を作っていくことになります。

仕入れた物件が予定通りの期間内で、予定通りの利益を確保できる水準で売れていけば、金融機関からの調達も滑らかになり、複数の金融機関に与信枠を拡げられて、益々事業規模拡大につながることも可能になります。

うまくいった場合の話をしましたが、リノベした中古物件が予手通りの期間内に売れずに、金融機関の当初貸出期間をロールオーバーするようになると、金融機関からの心象は非常に悪くなります。今の借入を何とか期日延長後売却により返済したとしても、次の融資時には一定期間見合わせたり、担保掛け目が厳しくなったりして、融資条件が悪化する可能性もあります。

その辺の金融機関との付合い方を含めて、今後、コンサルティングをすることになりました。

スモール時期の会社の資金調達は、今後の規模拡大には非常に重要です。

ご興味を頂いた経営者の方がいらっしゃれば、ぜひ弊社のセミナーを一度受講くださいませ。

最後までお読み頂いて、ありがとうございました。