第22話 新築戸建ての購入客層が変化してきています?

みなさん、こんにちは。株式会社Cozy Consulting 代取の坂口です。

今回が、第22回目のコラムになります。

第22話は、新築戸建ての購入客層の変化について、ある社長とランチしたときに内容を聞いてきたのでご紹介します。

「坂口先生、新築戸建ての購入客の層が明らかに変化したと感じているんですよ。物価高と不動産価格の上昇で、購入する顧客の属性が高くなっているような感じがします。

上場会社や公務員などの収入が安定し比較的高い層になっています。よく新築戸建てを研究して知識武装し、住宅ローンもネット銀行を使いたいと希望する客が増えてきているんですよ。厄介です。」

何で厄介なんですか?と質問すると、

「柱の太さを訊いてきたり、キッチンのメーカーとかお風呂の広さなどを細かく聞いてくる客が増えています。一応回答するのですが、マニアックな質問が増えています。

値引き圧力も大きく、非常識な値引きを言ってくる客も最近増えています。また、ネット銀行は審査が遅いので、1ヶ月のローン条項内で回答が出ないケースもあります。

売り主の戸建てビルダーからは期間内でローンの回答が出ない場合は、次の顧客に回すようなケースもあり、顧客と売り主との間に挟まれて苦しい交渉になるんです。

また、ビルダーによりますが、仲介手数料を減額するような条件提示もあり厳しいんです。買主からは手数料ゼロを訴求して仲介案件として間に入っていますので。。。。

また、売買契約で建物内外の傷の補修範囲とかに買主が拘ってきて、契約上あくまでも修繕をするかしないかは、“売り主の判断による”と書いてあって契約書にサインしているのに、後からぐちゅぐちゅ文句を言ってくる客が増えています。

ほんと変に知恵がついているクレームもどきの客が増えています。明らかにこの3か月間で客層が変わったと感じています。」との話でした。

物価高や不動産価格の高騰で、住宅を購入できる客層が変化したとの現場の意見です。

確かに将来に不安を感じている客層は、大きな借金をしてこのタイミングで不動産を購入するのは腰が引けると思います。購入する客層が狭まったという感じでしょうか?

別の不動産会社の社長からも、新築戸建ての販売はやや時間がかかるようになってきていると聞いています。また、開発する業者への銀行からの開発資金の貸出も慎重になってきていると別の業者の社長からも聞いています。

開発業者としても、予定通りの期間、販売価格で売りづらくなってきていると思われます。そうなると収益確保の観点から仲介業者への手数料の減額につながる話になりますよね。最近、バラバラに聞いてきている話の筋が総合するとすべて繋がります。

実需向け不動産の販売動向には、注意が必要になってきているようです。今後も、情報収集しながら状況を見ていきたいと思います。

今日は、この辺で話を終わらせます。ありがとうございました。