第90話 外国人富裕層への日本の不動産の売却について

みなさん、こんにちは。株式会社Cozy Consulting 代取の坂口です。
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今回が、第90回目のコラムになります。
第90話は、「外国人富裕層への土地売却」という話です。
昨今、外国人による日本の不動産の規制なき購入が問題になり、規制強化の動きがありますね。そのような状況下、弊社のクライアント先が日本国内の土地を外国人に売却しました。購入目的は日本に来日時に自分で使うためです。賃貸等は想定しない目的での購入でした。
土地購入後、建物を建築されるという事で、外銀から土地の購入資金及び建物建築資金の一部を借入される予定であり、普通に売契にローン条項を入れて土地売買の契約を行いました。
その外銀の東京支店に赴き、ローンの利用予定や借入時期、ローン審査期間等の確認を行ってきました。お客様の資金計画までは情報開示頂けませんでしたが、直接、お客様から確認し、購入意思を補足できました。
たまた奥様が日本人と言う事で、売買契約、重説時には奥様によるご主人様への逐次通訳で契約を行いましたが、通訳する分、売契・重説等の説明時間が倍かかりました。
外国籍の方に不動産を販売する場合でも、本人確認、購入意思確認は必ず実施する必要があります。当初は、リモートでできないか要請がありましたが、取引金額が高額であることと、初対面でありリモートでの契約は回避しました。ご夫婦で来日頂き、本人確認とその資料の確認、購入意思確認を司法書士と共に実施し慎重に対応しました。
外国人が日本の不動産を購入する場合、本人確認資料としてパスポートだけでは不十分です。宣誓供述書というその国の公証人による本人確認、住所地確認を行う公の資料原本が必要になります。公証人制度は国によって異なる為、宣誓供述書を作成する方法はその国の制度を個別に確認する必要があります。司法書士さんも個別の国の公証人制度まで、詳細ご存じないので、売り主サイドで確認する必要があります。
また、日本国内の連絡先を指定する必要があります。法人でも個人でも構いません。それらの要件が整って初めて売買を行う要件が整います。
資金決済においては、最近のIBは発達していて、外銀からの日本円での海外送金でも翌日には着金されるようです。然しながら、メガバンクに限った場合と考えた方がいいと思います。
地銀、信金の場合は外銀とのコルレス契約が少なく、いくつもの銀行を経由してRAが決まり、資金が入金される可能性があり、1週間から2週間かかる可能性もあります。また、経由する銀行によっては、リフティングチャージがかかり、満額入金されない可能性もあります。その点は、注意した方がいいと思います。
原則、国内の外銀支店から日銀ネットを通じて通常の国内送金で即日資金決済をされることをお薦めします。今回の売買では、振込指定口座を地銀にしたため1週間かかりました。事故にはなりませんでしたが、その間、冷や冷やしました。
弊社(私)にとっては、外国人への不動産の売却の場に接するのは初めての取組でしたので、非常に勉強になりました。
契約書は当然日本語で作成し、仮に英文表記されたとしても、日本語の契約書の内容・表現が優先する旨を契約書の中の特約条項に埋め込みました。
今後、同じようなケースが発生した場合より円滑にクライアント様に助言できると感じました。
今日はここまでにしておきます。
最後までお読み頂いて、ありがとうございました。
