
みなさん、こんにちは。株式会社Cozy Consulting 代取の坂口です。
今回が、第85回目のコラムになります。
第85話は、「銀行員の与信判断力は落ちている」という話です。
弊社のクライアント様の銀行取引構造を見直しています。その過程で最近、強く感じていることをお話します。
既存の取引銀行の第二地銀A行は、長期の設備資金を借りている銀行のひとつです。
新規行を増やすために、担保余力が発生しているA行に差入中の担保物件の共同担保になっている一部物件の担保解除を申し出しました。
担保解除の申し出は、2週間前でした。最近、回答がありました。答えはノーです。問題はノーと回答する理由です。回答の根拠は、担保評価額が不足しているとかではなく、当初の設備資金の融資対象物件であるので、一部担保解除は受けられないとする理由でした。
それは銀行としての回答なのか問い詰めると、担当者は黙りこくってしまいました。銀行としての回答をもらいたいと迫ったのです。銀行としての回答ならそんな理由では断われないからです。
結局、この担当者は自分の手元に案件を握り込んで、2週間経過したので、さも銀行内で協議したかのように装うつもりだったのでしょう。
この回答には驚愕しました。担保評価額など見ていないのです。単純に、融資対象物件だから一部担保解除はできないとの回答。数字による判断はどこにもないのです。
昨今の東京都心5区のマンション価格は急高騰して、弊社の担保差入中のマンション評価も急上昇しています。
約4年前に借りた当初と比較してもかなりの上昇率で、明らかに共同担保でひとくくりで担保取得している物件の中には余剰担保が発生しているのです。
余剰担保を持つリスクなどこの行員は考えたこと等ないのでしょう。融資予約と言う言葉は知らないかもしれません。
物件評価額関係なく、保全BS等考慮せず、融資対象物件だからという理由だけで担保解除できないとノタマワッタこの銀行員は、「私はアホです」と言っているようなものです。
また、加えてこの貸出には全く必要ない金利SWを設定していたことが判明しました。コロナの頃に借入し、当時はゼロ金利政策が取られ、金利上昇など考えられない時期に金利固定化SWをかけていたのです。素人を相手に何しとんねんという感想です。
しかも、設定している抵当権担保でこのSWのみなし与信の担保として見ているとの発言がこの行員の口からありました。
抵当権なのにSWのみなし与信迄カバーできるわけは無いのです。根抵当権なら百歩譲って理解しますが、抵当権ですからありえない話です。
「バカ丸出しだなぁ」とあきれてものが言えない状態になりました。
今どきの銀行員は根抵当権と抵当権の違いも理解していない、銀行員の質は落ちたもんだと強く感じました。
こんな銀行とは付き合いたくもないですが、金利SWが設定されているので一義的には期日まであと約6年付き合っていかざるを得ないと考えています。
場合によっては、貸出金だけまともな銀行に肩代わりしてもらい、金利SW契約はそのまま残しマクロヘッジで対応することもやむないと考えています。
企業経営者の皆様も、銀行取引には十分に注意され用心して付き合った方がよいと思います。目先の収益獲得しか考えないバカな銀行が増えてきていることを危惧するとともに残念に思います。
久しぶりに心が揺さぶられるほど、残念な案件に出会いました。みなさんも注意してください。銀行を信用したら骨までしゃぶられますよ。
今日はここまでにしておきます。最後までお読み頂いて、ありがとうございました。
