第7話中小企業経営者のためのコラム

みなさん、こんにちは。株式会社Cozy Consulting 代取の坂口です。

今回が、第7回目のコラムになります。最近感じている事や、面白い話、興味の沸く話題があれば、それを題材に皆さまにお伝えしていこうと考えています。

第7話は、一般の方が「リース・バック」の利用する際の注意点について、書きたいと思います。

リース・バックは、リバース・モーゲージとは全く異なる不動産会社が提供する商品です。
特徴は、
①一旦、売買して所有権が不動産会社に移転します
②売却代金は何に使うかは自由
③売却後もその家に住み続けられる
④将来的に買い戻しができるというのが
以上が商品のウリ、特徴です。

ここで売主目線(一般のお客様目線)で、注意すべき点をお示しします。

①今住まいの住宅を不動産会社に売却にしますので、売却価格は一般の流通価格ではなく不動産業者買取価格になります。
しかも売却後はその住宅に継続して住むことを前提しにしていますので、利回り価格での売却が前提となります。

そうなると、普通の住宅の流通価格にくらべれば、70%~50%の価格で売却することになります。
非常に低い価格になることを覚悟しなければなりません。

但し、短期間で現金が用意されますので、事業資金等で資金がすぐ必要な方には不動産を現金化できるのでメリットはあると思います。

然し、それ以外の方にはメリットはほとんどありません。老後の不安を解消するために、イマイマは使う予定はないが現金を手元に持っておきたいとする方にはメリットはありません。

現金がイマイマは必要ないが、不動産を現金化して老後に備えたいというニーズであれば、リバース・モーゲージの方がニーズに合うと思います。

③老後も継続して売却した不動産に住み続けられるというのが、この商品のポイントのひとつですが、これも注意が必要です。

まず、借家契約が、普通借家契約か定期借家契約のどちらの契約かに注意を要します。
定期借家契約であれば、通常2年契約が主流で契約上は2年後に貸主の方からでも契約を解除することができます。

つまり、2年は住めるがその先はいつ退去を求められるかわからないということです。この点は注意が必要です。

普通借家契約でも、賃料の値上げ条項がどうなっているかに留意する必要があります。いつ賃料の値上げを求められるかわからないからです。

また、賃料ですが、売却価格の8%~12%で設定されるケースが多いようです。
相場よりも比較的高い水準と思われます。
例えば12%となれば、9年くらいで売却価格以上の家賃を支払うことになり、何のために売却したのかわからなくなります。

リバース・モーゲージであれば、ご主人がなくなった後も奥様がその債務を引き継ぎ、継続してその自宅に住むことができます。
このような利用の仕方は、リース・バックにはありません。

また、住宅の設備等の故障時の修繕費の負担区分や原状回復の負担区分など、
契約時点でしっかり確認しておく必要があります。非常に重要です。

最後に、④将来的な買戻しができるという件です。
将来的な買戻し価格は現時点ではなんともいえません。
然し、言えることは一般流通価格をベースにした金額になるということです。

売価価格は利回り価格をベースに低い金額で売却し、
一方買戻す時は、市場価格(実需価格)の高い金額で買戻すことになります。
同一価格にはまずなりません。この点は非常に注意が必要です。

いろいろとみてきましたが、リース・バックという商品は、自宅売却時点で、
賃貸借契約の内容、修繕費等の負担区分、将来的な買戻し条項等を、
口約束ではなく、契約書で示されて約束されているかを慎重に確認する必要があります。

弁護士さん等の専門家に相談してみるのもいいかもしれません。
ご利用には十分注意する必要があると思います。

本日は、ここまでです。ありがとうございました。