第86話 銀行との返済交渉1

みなさん、こんにちは。株式会社Cozy Consulting 代取の坂口です。

今回が、第86回目のコラムになります。


第86話は、「銀行との返済交渉1」という話です。

弊社のクライアント様で銀行との交渉をコンサル業務としてお願いされました。最近の状況を一部お話ししたいと思います。

クライアント様の銀行取引行の数は、6行あります。地銀1行、第二地銀2行、信用金庫2行、信組1行です。メインは、地元の第二地銀という構造です。

一戸建てのミニ開発業務(1~2区画開発)で東京都の東地区を地盤に業務を展開されています。コロナ下も地元に根ざした営業基盤を強みに営業を継続されてきました。売上規模や従業員数などは表記できませんが、地元の中小企業の域を出ません。

コロナ以降の不動産バブルの状況下着実に業績を伸ばされてきましたが、昨今の戸建不況に直面し、利益の幅を削ってでも既存在庫の販売に最大限の注力をされています。

資金繰りは徐々に厳しくなり、既存金融機関への運転資金の借入申出を行い、マル保や制度融資で資金繰りをつないできています。

6月末に決算を迎えますが、何とか赤字にはせず黒字を確保できる見込みとなっています。

問題は、戸建開発の土地仕入れ資金の弁済期日が到来してもそれまでに販売が実現しない事態に直面している事です。

取引銀行の中には期日変更に、すんなり応じてくれる銀行がある一方、期日延長に難色を示し借入条件の変更等を交渉してくる銀行もあります。

一番厳しい銀行は、3ヶ月の更改、借入形態の変更、金利引き上げ、追加担保要請等を更改の条件にしてくる銀行もあります。

現座、これらの銀行と期日延長の更改条件交渉を具体的に行っています。本来なら社長や財務部長が担う業務です。

然し、中小企業の場合、そこまで金融機関交渉をうまく運べる人材がいないこと、社長は営業優先で仕入れと販売に最大限注力して頂く必要があります。

そこで、難しい銀行交渉を弊社で対応しています。

銀行からの借入金の期日延長交渉は、当初の借入約定を守れなかったため発生しているのであり、ハッキリ言って、弊社と銀行のベクトルの向きが対立する話で、いい関係で交渉できるはずはありません。

銀行は、約束を守れない貸出先という目で見ています。
最初から良好な貸出先という目では見てくれません。従って、いい雰囲気で交渉することはなく、よくて普通、銀行に不満があれば悪い雰囲気で話が進みます。

こういう場面では、銀行は必ず複数人(融資課長か代理+担当者)で交渉に参加します。したがって、当方も、私と担当者(予め担当者を決めておきます)という人数で負けないように交渉に臨みます。

銀行ごとにノートを作成し、銀行との交渉では、銀行員の目の前で敢えてよく見えるようにメモを取ります。これだけでも銀行には迂闊なことは言えないというプレッシャーを与えられます。その他にもいろいろノウハウはありますが、コラムではここまでにしておきたいと思います。

現在複数の銀行と交渉中で、弊社内では銀行を色分けし対応方針を策定し、交渉方向の仮説を立てPDCAを回しています。

今後のコラムの中で面白い内容はお伝えしていきたいと思います。

今日はここまでにしておきます。最後までお読み頂いて、ありがとうございました。